AR、VR、そしてAIなどの先端テクノロジーがエンターテイメント分野に導入される中、日本のゲーム業界は新しい局面に突入。特にeスポーツは、この変革の最前線で急速にその地位を確立しつつあります。同時に、eスポーツの人気の高まりとともに、ブックメーカーによるスポーツベッティングへの関心も増加しています。
この記事では、日本における新たなトレンドであるeスポーツとスポーツベッティングの可能性に焦点を当てて解説します。
eスポーツの可能性
eスポーツとは
今やテレビ画面だけでえなく、PCやスマートフォンでもプレイ可能なゲームの数々。角川アスキー総合研究所の調査によると、日本国内のゲーム人口は、2022年で5,400万人と推計されています。しかし、従来はプレイヤーのほとんどが、趣味や娯楽の1つとしてゲームをプレイしてきました。
その一方で、近年盛り上がりをみせるジャンルがeスポーツです。これまでのビデオゲームを「競技」として行う“スポーツ”であり、個人またはチームが参加することで競技は開催されます。現在、主要なeスポーツタイトルには、「eFootball」や「フォートナイト」、「カウンターストライク」などが存在。大会では高度な戦略性やチームワーク、個々の技術が求められ、多くが専用アリーナやオンラインプラットフォームで行われています。
eスポーツの国内動向
eスポーツでは、競技によって多額の賞金が用意されています。2022年1月に日本国内で開催されたデジタルカードゲーム「シャドウバース」の世界大会では、優勝者に1億5,000万円の賞金が与えられました。さらに2024年の夏には、サウジアラビアがeスポーツのW杯開催を決定しており、賞金総額はなんと4,500万ドルに上ると発表されています。
このことから、eスポーツはプレイヤーの生計を支え、社会的な信用格付けを高める1つの職種としても捉えることができるでしょう。実際、日本でも市場規模が125億円に上るほどにeスポーツの活性化が進んでいますが、2024年現在で322人の日本人がeスポーツプロライセンスを保持。「ASH WINDER Esports ARENA高田馬場店」や「RED° TOKYO TOWER」など、eスポーツ専用施設の開業も進んでいます。
スポーツベッティングの可能性
eスポーツの市場規模は引き続きの拡大が予測され、日本eスポーツ連合の調査によると、2025年には日本のeスポーツファン数が1,000万人を超えると見込まれています。
この状況に伴い、昨今のブックメーカーではeスポーツ競技のオッズを豊富に用意しています。つまり、eスポーツファンは単に競技を観戦するだけでなく、ベッティングという形で競技の盛り上げに貢献できるようになったのです。
日本においては、すでにスポーツベッティング市場規模は年々成長を見せており、2024年から2032年にかけての成長率は8%と予測されています。そして、eスポーツの活性化が続くにつれて、ブックメーカーの成長は加速。また、eスポーツにベッティングを行うことで競技の知名度はさらに高まり、スポーツベッティング市場とeスポーツ市場規模が同時に拡大する好循環が生み出されていくでしょう。